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    11/19/2005

    スカンク!

    マンハッタンからバスに乗ること約30分。

    未だにあちこちで土地開発の進むニュージャージー州。

    東にはマンハッタンの摩天楼を背景に

    大型客船やヨットが行き交うハドソン川。

    西にはハドソン川に沿って南北にのびる緑多き崖。

    ここでも何度か紹介した『カナダガン』をはじめ、

    マンハッタンという大都会を目と鼻の先に控えながら

    このあたりではまだいろいろな動物を目にすることができる。

     

    車社会の広がる中

    己を貫いてマイペースな暮らしを持続している

    『カナダガン』の群。

    冬の到来を前に旅立ったグループとは別に

    何故かこのあたりに居残った数羽の今後が気になりつつ

    夜更けの道をバス停から家に向った。

     

    紅葉もほぼ終わりに近づいた林が覆う崖にほど近い

    人気のない暗い歩道を歩くうち

    前方に小さな黒っぽい『かたまり』を発見。

    更に近づくとその『かたまり』から

    毎日見慣れた愛娘のソレのような

    ふわふわしたシッポが垂直に突き出した。

    「猫?」「犬?」と思いながら近寄ると、

    黒地に白い縞模様の入った『スカンク』だった。

     

    このあたりにまだ野生の『スカンク』が生息していることは

    以前から聞いていた。

    特に朝夕そこかしこに漂っているあの独特の悪臭は

    まだ見ぬ『スカンク』の存在を確信させた。

    その当人がとうとう私の前に姿を現したのだ。

    体長は約30cmほど。

    まだ子供なのかもしれない。

    体毛の一本一本を総立ちさせ、

    身体のわりに小さな逆三角形の顔に据えられた

    つぶらな瞳をまっすぐに私に向けつつ

    全身で思いっきり威嚇しているのがわかる。

     

    暗闇のなかとはいえ

    あちらの緊張感は嫌というほど伝わってくる。

    が、夜も更け 私も早いところ家に帰りたい。

    引き返すわけにもいかず車道に下り

    大きく迂回しながら彼を追い越した。

    その間彼は 一瞬も私から視線を外すことなく

    常に私に対して身体が正面を向くよう徐々に動きながら

    いつでも応戦できる態勢を維持していた。

     

    愛娘と同じ形のシッポを見た瞬間から、

    そのかわいらしい姿に

    なんとも言えない親近感を抱いた私。

    よく聞く「逆立ち」の威嚇ポーズや

    あの「悪臭」の直射攻撃を受けなかったのは

    彼もそれほど敵意を抱いていなかった証拠だろうか?

    悪臭のみとの対面とは違い、

    なんだか少し得したような気分で家路についた。

     

     

    ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

     

     

    『スカンク』の黒い毛で思い出した話題がひとつ。

     

    ある20代の日本人女性がアメリカの美容院に出かけた。

    ところが その仕上がりに不満を感じた女性は

    「美容院が自分をブスにした」と裁判所に訴えた。

    裁判の結果「確かに彼女はブスになった」との判決が下り、

    女性に対する$2000(約24万円)の

    損害賠償金の支払いが美容院側に命じられた。

     

    サービス業の難しさ、

    現代人の容姿に対する思い入れ、

    今どきの若い日本人女性の気質、

    アメリカの裁判制度、etc.

    半ば呆れつつ いろいろ考えさせられた話題だった。
    6/5/2005

    カナダガン

    いつものように裏通りを歩いてバス停に向かう途中、

    カナダガンの一行に出くわした。

     

    カナダガン(Canada Goose)はカモ科の野鳥で、

    成鳥の背丈?(頭のてっぺんから足もとまでの高さ)は70cmほど。

    細く長い首からくちばしの先までは黒く、

    喉もとに白いオビがある。

    身体は薄茶にこげ茶の模様が入り、

    足の長さは10cmほど。

    ヒナは全身薄茶色で毛がモコモコしている。

    リスやヘッジホッグ同様、

    川沿いのこのあたりではよく見かける生き物だ。

     

    一行は成鳥3羽とベビー15羽というなかなかの大所帯。

    いつもは大通りとハドソン川に挟まれた

    わずかに残る草原でエサをつまんでいるのだが、

    今日は大通りの反対側をウロウロ。

    昼夜問わず交通量の多いあの道路を

    この呑気な足どりの一行は

    一体いつどうやって横断したのか。

    (信号機でも見ながら渡ったのか?)

     

    一行の先頭はベビーたち。

    きちんとタテに一列・・・ではないが、

    時おり2~3羽が横並びになる程度で

    車道の中央に出過ぎることもなく、

    上手に道の端を歩いて行く。

    そしてそのすぐ後を保護者3羽が静かに続く。

    (まるで幼稚園児たちの遠足)

     

    ふと、ベビー集団の最先端にいた子が

    両手をバタバタと動かしながら駆け出した。

    お目当ては前日の雨で道の端に残った前方の水溜り。

    それにつられて後続のベビーたちも一斉に走り出す。

    勢いあまって横広がりになりそうになったとたん、

    それまで静観していた保護者1羽がサッと前に進み、

    ベビーたちの車道側に付いた。

    (見事なフォローだ。)

     

    このあたりでようやく集団に追いついた私が

    水遊びを楽しむベビーたちを追い越そうとすると、

    もう1羽の保護者が私をけん制しながらやはりベビーたちの横につく。

    身体の大きさに違いこそあれ、

    充分な威圧感を持った視線だった。

    (攻撃されるかも・・・)

     

    できるだけさりげなく集団を追い越して歩を進めると

    再び後ろで羽ばたく音。

    どうやら保護者の1人がベビーにちょっかいを出したらしく、

    別の保護者に蹴りを入れられていた。

    (教育方針の相違か?)

     

    しばらく水遊びを楽しんだ集団は、

    90度曲がって大通り方面へ歩き出した。

    途中、車の出入りが激しいメデイカルセンターの駐車場で一休み。

    たまたま車を出そうとしていた男性の前ですっかりくつろいでいる。

    男性は必死にクラクションを鳴らしてけん制するが、

    一行はまったくお構いなし。

     

    彼らもやっぱりニューヨーカーだった。

    4/28/2005

    アリ

    長かった冬もようやく終わり、ここニューヨーク近郊もすっかり春。

     

    草木の新芽とともに 咲き乱れるサクラ、ハナミズキ、レンギョウの花々。

     

    ハドソン川西岸の林を切り拓いて建てられたわがコンドミニアムでも

     

    春の訪れをひしひしと感じる今日この頃。

     

    暖かい陽射しに誘われて あたりの景色を彩る植物とともに

     

    さまざまな『生き物たち』がここぞとばかりに活動をはじめる。

     

     

    たしかに、後からこの地に移り住んだのは私たち人間。

     

    ずっと昔から住みついていた『生き物たち』にとって 私たちは迷惑きわまりない邪魔者。

     

    だから家の外であれば、彼らが何をしようが文句を言うつもりはない。

     

    しかしこの時期、なんとか家の中でも共存しようとするものたちが出てくる。

     

     

    我が家の場合、その最たるものが『アリ』。

     

    5ミリ程度の黒アリが老若男女・集団でおしかけてくる。

     

     

    建物の3階部分に位置するリビングやダイニングルームでは

     

    少しでも食べ物を落としておいたら最後、

     

    次の日の朝には働き者のアリたちがせっせと片付けに励んでいる。

     

    これまではきちんと掃除し アリ用殺虫剤(毒入りの餌を巣に持ち帰らせて全滅させるタイプ)

     

    を設置することで対応できた。

     

     

    しかし今年は違った。

     

    なぜか食べ物とは縁のない、

     

    4階の主寝室に飾ってあるベンジャミンの鉢植えがターゲットになったのだ。

     

    どうやらアリにとって たまらなく美味なもの がその鉢の中で発生したらしい。

     

    ある日 南向きの大きな窓枠から壁づたいに『一筋の黒い紐』を発見。

     

    それが黒アリの行列であることに気づいた時はこの目を疑った。

     

     

    敵をあまく見ていた私は、まずはいつものように殺虫剤を1つ設置してみた。

     

    だが何日たってもアリの姿は消えない。

     

    そこでもう1つ追加してみた。

     

    が、やはり変化がない。

     

    よく見ると、アリはその餌を完全に素通りしている。

     

    これまでの経験から危険物と学習したのか?

     

    或いはおとりの餌以上に美味いものが鉢に存在するのか?

     

    だがアリのためにお気に入りのベンジャミンを撤去することは断じてできない!

     

     

    次に アリがつけるとされている 道しるべ を遮断すべく、

     

    香りのきつい洗剤等であたりを拭きまくった。

     

    1~2日は効果があったようだが、これもまたすぐ効力を失った。

     

     

    その後 アリ退治用ジェル にも挑戦した。

     

    進入経路らしき 窓際の隙間にたっぷり注入してみた。

     

    が数日後、アリの行列はまたまた大手を振って行進していた。

     

    乾いてしまったジェルの残骸を踏みつけ、乗り越え、なんとも大胆不敵。

     

     

    考えてみれば、私が闘っているのは限られたアリ集団ではない。

     

    家の外の林に生息する何万、何十万匹というアリたちが相手なのだ。

     

    貴重な宝物 目当てにやってくる彼ら全てに立ち向かおうと思ったら、

     

    殺虫剤がいくらあっても足りない。

     

     

    小賢しい手段はやめ、目に見えない侵入口を塞ぐべく、

     

    窓際の隙間をプラスターで丁寧に塗り固めた。

     

    これでとりあえず外からの新たな侵入は止められるはずだが、

     

    室内に閉じ込められたアリたちが次にどう出るか?

     

     

     

     

    13年前、マンハッタンの高層ビルの50階に入居したテナントから

     

    部屋にアリが出たんです!

     

    というクレームを初めて受けた時、すぐには信じられなかった。

     

    身長5ミリのアリにとって、

     

    地上50階まで上るというのは一体どんな体験なのだろう?

     

     

    アリの底知れないパワーに敬服するとともに、

     

    この手強い相手との闘いを考えると頭が痛くなる。

     

     

    何か良い方法をご存知の方がいたら是非教えて頂きたい。